とにかく節約できる限りのことはしてみた、それなのに貯蓄は増えないし出費が増える…そのように絶望的な思いで家計簿を見つめてしまう人は、少なくはないですよね。
経済的な不安を消し去り、安心感を持ちながら生活をすることは、大病の大きな原因ともなるストレスを緩和して、健康的なライフスタイルを保つことにも繋がりますから、今一度家計をしっかり見直しておきたいもの。
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そこで今回は、これ以上の節約は無理!と匙を投げてしまう前に見直しておきたいポイントをまとめてみました。
1. まずは家計の現状をしっかりと把握しよう
「家」を1つの会社と考えれば、その経営には資産運用と管理を徹底することが大切です。
とはいえ、難しく考える必要はありません。
まずは罫線が引かれたノートを2冊用意し、簡単なシステムにて、家計の現状把握と管理をしていきましょう。
「財産の記録ノート」を作る
1冊は、現在どれほどのお金があるのかを把握するための「財産記録ノート」とします。
節約とは、単に出費を減らすということだけではなく、純資産を増やしていくという意味も込めてこそ、成立すると考えるべきですよね。
そのためにも、まず現状の資産を把握しておくことが重要なのです。
ノートの書き方ですが、記入日に加え、
▶プラスの財産
財布の中身はもちろん、自宅にある全ての現金、預貯金、株、車や家などの売却価格など
▶マイナスの財産
車や家に加え学費といったローン残高など
を分類しながら、自身が分かりやすいレイアウトで記入していきます。
そして、このプラス財産からマイナス財産を差し引いた純財産がどれほどであるか、出費可能な範囲がどれほどであるのかを把握することで、家計管理の徹底へと繋げていきます。
「予算・収支の記録ノート」で金銭の流れを知る
次に別冊で、予算と収支の記録ノートを作成しましょう。
まずは、昨年1年間の収支を振り返るため、その年の収入を書き出していきます。
毎月の収入に加えて、ボーナスや臨時収入などを記入し、合計金額を算出します。
今度は、同年の支出を書き出していきます。
生活費はもちろん、教育費やローン、帰省や家族旅行費、家族の誕生日や子供の入学といったイベントの出費など、全てを記入し、その合計金額を算出します。
その年間収入合計から年間支出合計を差し引き、収支を算出します。
そこから、昨年1年間で家計がどのように回っていたかを知ることができ、今後の予算や支出の見直しに役立ちます。
支出に関しては、引っ越しや出産などの生活環境、子供の進学などの変化によってかなりの違いはありますが、家計簿をつけたことがない人は、まずは1ヶ月家計簿をつけることで、毎日お金がどのように流れているのかが確認でき、おすすめです。
そうして昨年1年間の収支が記録できたら、今度は今年1年間の予算を立てていきます。
予算の立て方は、昨年の収支記録から、帰省・家族旅行の時期、子供の進学、家族全員の誕生日やイベントごと、車検など、毎月の出費にはならないものの、どこかで必ず出費される「特別支出」を参考にします。
そして、今年1年間に予測できる特別支出をできる限り具体的に、支出額も合わせて月別表記していきます。
さらに、今年になって初めて行われるイベントや行動計画なども、そのための予算とともに書き出していきます。
最後に、全ての合計金額を12ヶ月で割れば、1ヶ月に積み立てるべき予算額が算出できますから、その通りに積立を行えば、今後の行動計画を無理なく実現できるというわけです。
「今年の夏の帰省で、親戚へのお土産など、どのように捻出すればいいかしら…」と、時期が近づく度に不安感を強めていくのではなく、先を見越しある程度の予算額を設定しておくことも、節約には重要なことなのです。
月別の予算・収支記録表を作成
1年間の予算・収支の記録が整ったら、次は月別の予算を確認していきます。
そのポイントは、月々に予測できる支出がコントロール可能かどうか、ということ。
上記によって作成した予算・収支の記録ノートに、月別の予算・収支の記録表も作成しますが、月ごとの予算の見直しには、出費のコントロールが不可能な「固定費」と、出費のコントロールが可能な「変動費」を分類して考えるようにすることが大切です。
▶一般的な固定費の例
家賃や住宅ローン
管理費、生命保険・学資保険・住宅保険などの保険料
車やその他のローン、カード払い
水道光熱費
インターネット代
携帯電話・固定電話代
幼稚園や学校などの教育費
習い事の費用
自動引き起こしの定期預金(一時の支出として考えます)
生協
▶一般的な変動費の例
食費
外食費
冠婚葬祭を含む交際費
日用品・消耗品費
お小遣い
ガソリン代など車の費用
教材費など特別な教育費
服や肌着、体操着、学校で必要となる消耗品など子供の費用
医療費
旅行やイベントにかかる娯楽費
家電の買い替えや住宅の修繕費など臨時費
などがそれぞれ挙げられますが、場合によってはこれ以上節約不可能として、食費や交際費などを固定費として考える人もいることでしょう。
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そこは、家庭によって管理しやすい方法で考えてOKです。
この表が完成すれば、固定費、変動費ともに、減らすことがさらに可能かどうか、見直していきます。
2. これ以上節約できない?!再度、支出項目をチェック!
「これ以上節約はできない」とはいえ、その基準も人によって様々。
もしかしたら、見落としている節約方法があるかもしれません。
こちらでは、項目ごとに節約方法を挙げていきますので、再度チェックしてみて下さいね。
家賃
もし高い家賃を支払っているのであれば、引っ越しをすることで家賃を節約することが可能ですね。
家賃と言えば、固定費の中で最も大きな出費になりますから、安全に削減できる方法が見つかれば、真っ先に活用することがおすすめ。
例えば、家賃の1月分が2万円安くなる物件に引っ越したとすると、年間にして24万円の節約になります。
24万円の収入を増やすか、24万円を節約で増やすかと考えれば、節約できる時にしておくほうが簡単ですよね。
ちなみに、都会はまた別ですが、地方での安い賃貸探しには、UR賃貸がおすすめとよく言われているようです。
他に、入居決定でキャッシュバックがあるというキャッシュバック賃貸のサイトで部屋探しをする人も増えているようですね。
そして、賃貸探しでは、家賃の安さを最優先で考えることが重要ではあるものの、敷金や礼金などもチェックしておくことは大切。
敷金は退去時によほどのことがない限り戻ってきますが、礼金は戻ってきませんから、要チェックです。
さらに、車を持っている人は、駐車場代についても必ず確認をしておきましょう。
国民健康保険料
引っ越しを考える場合、引っ越し先では国民健康保険料がどれくらいになるのかを知っておくことも大切です。
引っ越しで家賃が安くなっても、国民健康保険料が高くなってしまい、あまり変わりがなかった、かえって引越し費用が高くついた、という恐ろしい結果になることも。
また、引っ越し先の家賃がそれほど変わらなくても、国民健康保険料が節約できるとなれば、年間を通しての大きな固定費削減になるはずです。
ちなみに、地域別の国民健康保険料をチェックするには、
の活用もおすすめです。
住宅ローン
持ち家で住宅ローンの返済が月々ある場合、その見直しも大きな節約になるはずです。
金利の低い住宅ローンへの借り換えで今よりも返済が安くなるのであれば、乗り換えることも検討しましょう。(関連:お金借りれる即日なら)
長期的な資産増やしにもなりますから、各銀行の住宅ローンの金利を比較してみるといいでしょう。
また、これから持ち家を考えていて、住宅ローンが必要となる人には、とにかく金利が安いところの選択を重視します。
生命保険、火災保険、自動車保険などの保険料
家賃などの次に大きな出費となっているのは、保険料が挙げられますよね。
もし月に1万円以上の保険料を支払っているのであれば、その価値があるのかどうか、見直す必要ありです。
保険は本来、自身に何かがあった時のカバーに準備しておくものですが、契約内容も曖昧なまま何となく勧められて入ってしまった、という人も少なくはないはずです。
中でも、見直しで最も大きな節約となるのは、生命保険。
具体的な対策としては、プロに相談することが一番ですね。
車の費用
続いて大きな出費といえば、車です。
車を持っている人は、車が本当に必要なのかどうかを考え直してみてはいかがでしょうか。
公共の交通機関に不自由なく、子供や介護をすべき人などがいない環境にあるのなら、どうしても車が必要、とは言い切れないかもしれません。(関連 >>子ども食堂の目的とは?【デメリット・メリットについて深掘】)
また、最近ではカーシェアリングサービスも流行っていますから、必要な時に活用するという方法もあります。
さらに、車があることから、ガソリン代や車検代、自動車税なども必ず支出されます。
車を持たない生活を選ぶだけで、こういった節約も可能なのです。
携帯電話の費用
携帯料金もまた、場合によれば見直しで大きな節約になる費用です。
格安SIMへの乗り換えは、解約費用を支払ってでも、長い目で見ればかなりの節約になるようです。
インターネット代
携帯電話代と同じく、月々のインターネット代もかなりかかっているはずですよね。
格安SIMに乗り換える場合は、インターネット代もその容量でまかなえるかどうか、見直してみるといいでしょう。
もしそれほどネットを必要としていないのであれば、自宅で契約する必要もありません。
また、他の費用とセット割もできますから、自身が必要とする料金プランもチェックしておきましょう。
新聞の費用
もしも新聞を毎日取っているのであれば、その契約が必要なのかどうかも考えてみてはいかがでしょうか。
読む時間がない、元々あまり読まないというのであれば、とても無駄な出費になっているはず。(関連 >>【時は金なり】時間は財産と考えるのがいい理由。)
テレビの費用
新聞と同じように見直しておきたいものと言えば、テレビもその一つ。
テレビは、各家庭に1台以上が普通になっている昨今ですが、今ではテレビよりもネット動画がメインという人も珍しくありませんから、テレビをあまり見ないのであれば、思い切ってテレビを省いた生活を試してみるのもいいかも。
ケーブルなどの費用や電気代も節約できます。
ガス・電気代
毎月のガス代・電気代も高く感じるようであれば、ガスと電気が自由化の現代ですから、お得なガス会社・電力会社の乗り換えも検討してみましょう。
ガスと電気のセット割も要チェックです。
月々の節約としては、それほど大きなことではありませんが、長期で考えると、かなりの固定費削減になるはずです。
※関連記事 >>一人暮らしのガス代を節約する方法【相場や平均、高い原因等も徹底解説】
食費
チラシの活用で底値を常にチェックしておくことは、節約において基本中の基本ですよね。
他にも食費を節約する方法では、食品を使い切ることも重要な意味を持っています。
冷蔵庫や冷凍庫、パントリーで食品を眠らせ、結局使いきれずにゴミ箱へ…という経験は、誰にでもあるはず。
ですがこれも、当然ながらお金を捨てていることと同じなのです。
買った食材は、最後まできっちりと使い切ってしまいましょう。
例えば、私がしている方法ですが、買ってきた食材はまず、パントリーと冷蔵庫、冷凍庫のそれぞれで、消費期限・賞味期限ごとに一覧表を作っておき、その期日までに必ず使い切るようにしています。
使い切った食材には一覧表にチェックを入れ、食材を使い切るためにメニューを考えるというシステムも、楽しむようになっています。
・関連ページ >>高収入なのに貯金がない人の特徴と習慣・原因を掘下【年収1000万円超で貯金なし・できない人の間違った金銭感覚】
習い事の費用
子供が希望する将来のためにと、こればかりは節約の対象にしたくないというのも親心。
ですが、家計を圧迫させてしまう原因の一つに、子供1人につき2つ以上の習い事が挙げられるのです。
そういった家庭は増えているのが事実ですが、月謝も掛け持ち数の増加に比例します。
将来の教育費を貯蓄することを第一に考えれば、子供が本当に希望し、楽しめている習い事に絞ることも必要です。
また、公共施設で開催されている教室やオンラインスクールなど、比較的安い月謝の習い事もあるので、チェックしてみるのもいいでしょう。
様々な契約料金など
他にも、細やかな出費は誰にでもあるはず。
例えば、あまり通ってもいないジムの契約、月々の課金アプリなど、無駄な契約を払い続けていないか、要チェックです。
クレジットカードでの支払いで固定費削減
固定費の月額支払いは、口座引き落としやクレジットカードが一般的。
それなら、ポイント還元率が高いクレジットカードで支払うことがおすすめ。
中には電子マネーへのチャージが可能なクレジットカードもありますから、固定資産税や自動車税などの固定費の支払いに活用すれば、クレジットカードのポイントを貯めることができます。
旅行好きな人には、JALカードからチャージをして、マイルを貯めるのもいいですね。
ネット銀行口座で手数料カット
コンビニ、時間外、休日によるATM利用は、基本的に手数料がかかるもの。
手数料はそれほど高くはありませんから、これくらい、と思われるかもしれませんが、チリも積もれば何とやらで、極力小さな出費も抑えるべきなのです。
その節約には、実店舗がないインターネット上での取引をメインにしているネット銀行の口座開設がおすすめです。
ネット銀行なら、ATM手数料は無料か通常の銀行よりも安い設定となっているためお得です。
特に、振込手数料では月に数回無料になる特典がついたケースもありますから、要チェックですね。
ただし、ネット銀行もそれぞれ違いがあり、利用者によってメリット・デメリットも大きく変わってきますから、契約前に十分な確認をしておきましょう。
また、実店舗であれ、手数料をかからないようにしている銀行もありますから、自身や家族にとって最も利用しやすく節約にもなる銀行の口座開設を検討してみて下さい。
助成金などを要チェック
国はもちろんのこと、各自治体や健康保険で、国民の暮らしに潤いを与えてくれる助成金や補助金などが用意されています。
▶妊娠健康診査の助成
妊娠と診断され、市区町村へ妊娠届を提出すると、母子健康手帳と一緒に、妊娠健康診査受診票を渡されます。
これは、妊婦健診14回分費用の一部を助成してくれるもので、実際の支払いでは、助成分が差し引かれた差額だけでOKになります。
▶出産育児一時金
出産後は、加入している健康保険より、子供1人につき42万円を支給してもらえます。
妊娠4ヶ月以降での流産や死産、人工中絶も対象とされています。
参考…全国健康保険協会
▶児童手当
子供が0歳より中学卒業となる年度末まで支給してもらえる手当金です。
子供の数や成長によって月額は変わってきますが、手当自体は受け取る側の所得に制限が設けられており、限度額以上の家庭であれば、子供1人につき月額として5000円が支給されます。
▶子供の医療費助成制度
これは自治体によって異なってきますが、多くの場合、0歳より小学校、または中学卒業の年度末まで、医療費の助成が設定されています。
ただし、所得制限を設けている自治体もありますから、地域で確認後、申請を行って下さい。
▶その他
自治体によっては、幼児2人同乗用の自転車購入やチャイルドシート購入、乳児のおむつ購入などの助成金を設定しているところもありますから、それぞれの自治体でご確認を。
節約は習慣化してこそ、大きな効果に繋がるものです。
その習慣化のためには、家計の現状把握がキーになっています。
そして、新しい保険会社ができた、銀行で新システムが導入された、自治体から支給される手当が増えた…など、さらなる節約へと繋ぐ、社会の変化をいち早くキャッチできるように、常に視野を広げておくことも心がけましょう。
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