医療費控除で税金は安くなる?いくら戻るか・どうしたらいいか解説!【安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス 安部智香様執筆】

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初めまして。

ファイナンシャルプランナー安部智香と申します。

この度、節約トイント様にご縁をいただき、記事を書かせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 

今日は節約の中でも、医療費控除を利用して税金を節約する方法をお伝えします。

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著者:安部智香さま

プロフィール:http://fpcabe.com/profile

資格:ファイナンシャルプランニング技能士2級、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格

著書:『今日から始める! 誰でも「幸せなお金持ち®」になる方法』、『幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪』

事業所:安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス

公式URL:http://fpcabe.com/

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「医療費控除」とは

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会社に勤務している人は、12月になると年末調整によって給与天引きされた所得税を計算し直して、払いすぎていた場合は差額が戻ってきます。

そのため、基本的には確定申告をする必要がありません。

 

でも、その年の1月1日から12月31日の医療費の合計が10万円を超えた場合(その年の総所得等が200万円未満の人はその5%を超えた場合)は、確定申告をすることで医療費控除を受けることができます。

 

医療費控除を受けることで、さらに所得税の還付を受けることができます。また、住民税は減税分が翌年の住民税から差し引かれます。

 

これらは、会社では把握できないので、自分で確定申告をする必要があります。

 

「医療費控除」の対象になるものは?

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病気やケガの治療
医療費控除の対象になるのは、基本的には病気やケガの「治療」です。治療に該当するものであれば、健康保険の適用外のものでも対象と認められます。


例えば、異常が見つかった場合の健康診断や人間ドックの費用、治療のためのマッサージの費用も医療費控除の対象となります。
また、妊娠中の定期検診や出産費用、不妊治療費や人工授精の費用も医療費控除の対象となるので安心ですね。
他にも、レーシック手術(視力回復レーザー手術)の費用や、治療目的での歯列矯正も認められます。

 

市販の薬
治療のために薬局で買った薬は医療費控除の対象になります。
薬を買った時のレシートが必要になりますので、大切に残しておいてくださいね。

 

交通費
通院のための交通費としては、バスや電車、緊急時のタクシーの使用も医療費控除として認めてもらえます。バスや電車を使用した場合は、交通費のメモをしたり、タクシーに乗った場合は領収書をもらっておいてください。

 

医療費が10万円に満たない場合「セルフメディケーション税制」も

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ちょっとした風邪や頭痛なら、市販の薬で対処するという人も多いでしょう。

1年間に医療費を10万円も使わないという人も利用できる場合がある制度が「セルフメディケーション税制(スイッチOTC医薬品控除)」です。

 

この制度は、健康の維持と要望の取り組みを応援する制度として、2017年に始まりました。1月1日~12月31日の1年間に、健康診断や予防接種を受けた人でOTC医薬品の購入額が1万2,000円を超えた場合、利用できます(超えた額の上限は8万8,000円)。

 

スイッチOTC医薬品とは、以前は医師が発行する処方箋が必要だった医薬品の中で、ドラッグストアなどで購入できるようになった市販薬のことをいい、約1,500種類あります。

 

確定申告の際には、健康診断や予防接種の証明書が必要です。また、購入したスイッチOTC医薬品のレシートも必要なので、大切に残しておいてくださいね。

 

このセルフメディケーション税制は、先ほどお伝えした医療費控除と併用することはできません。スイッチOTC医薬品ではない市販薬は今までの医療費控除の対象になります。

1年間の医療費が10万円を超える場合は、今までの医療費控除の方がお得になります。

 

新型コロナウイルス対策の出費は?

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2021年5月現在、新型コロナウイルス感染拡大がまだまだ収束の兆しがみえませんね。

昨年から、新型コロナウイルス感染対策として、マスクやアルコール消毒、また免疫アップのためのサプリメントなどの支出がかなり増えたという人も多いのではないでしょうか。

このような新型コロナウイルス感染予防に関する支出はどのように考えたらいいでしょうか。

 

先ほどもお伝えしましたが、医療費控除の対象となるものは病気やケガの「治療」です。つまり、健康維持や予防目的の場合は残念ながら医療費控除の対象にはなりません。

 

新型コロナウイルス感染予防のために購入したマスクや消毒用アルコールは「予防」が、サプリメントは「健康維持」が目的となるため、残念ながら医療費控除の対象にはなりません。

また、自費でPCR検査を受けた場合の検査費用も、医療費控除の対象にはなりません。
ただし、自費でのPCR検査の結果が陽性で、医療機関で治療を受けることになった場合、検査費用は医療費控除の対象となります。

ちなみに医療費控除の対象となる金額は、自己負担部分に限られているため、公費負担により行われる部分の金額については、医療費控除の対象にはならないので注意してくださいね。

また、感染対策の1つとして実施されているオンライン診療を受診した場合、オンライン診療でかかった費用については、概ね医療費控除の対象となります。ただし医薬品の配送料は対象外です。

 

まとめ

通常確定申告は、2月16日から3月15日ですが、医療費控除など納め過ぎた税金を返してもらうための還付申告は1月1日から受け付けてもらえ、過去5年間に遡って申告することができます。
当てはまるという人は、ぜひ医療費控除を行って払いすぎた税金を取り戻してくださいね。