貯金…これは、一人暮らし、二世帯、子供がいない家庭と、どのような形の暮らし方であれ、少子化や介護・年金といった様々な問題を抱える現代においては、永遠のテーマとして挙げられますよね。
だからこそ、不安を感じる自身と同じように、貯金がしづらい家庭や全く貯金がない家庭はどれほどの割合なのかと気になるもの。
しかも、日本の経済状況を考えれば、貯金ができない人がいても不思議ではないとは言いつつも、子供がいて出費も多いはずなのに、毎月一定額の貯金を欠かしていない家庭があることも事実です。
ということで、今回は貯金がなかなかできない家庭や、様々な家庭による貯金事情についてまとめてみました。
貯金できない(0円)家庭の割合
まず、貯金ができている家庭と、貯金ができていない家庭がどのような割合であるのかをチェックしてみましょう。
2018年に金融広報中央委員会から発表された「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、
預貯金など金融資産が非保有である2人以上の世帯は22.7%
という結果が出ています。
家庭における貯蓄額
逆に言うと、それ以外の家庭では、貯金がしっかりとできているということ。
そして、全体で見る2人以上の家庭で運用や将来に備えられた貯蓄額は、
平均値…1,151万円
中央値…450万円
となっており、貯金ができている家庭のみの貯蓄額では、
平均値…1,519万円
中央値…787万円
となっています。
※平均値、中央値については、「30代独身で貯金ゼロ?【30代男女別の貯金額・将来必要なお金を深掘】」で説明を加えていますので、ご参考にして下さいね。
貯金ができない家庭の特徴
収入は平均的で浪費癖があるわけでもないのに、貯金がどうしてもできない…そのような家庭に見られる特徴をご紹介していきましょう。
※関連記事
給料が上がらない、少ない
全般的に、サラリーマンの家庭が多く見られるため、収入=給料ということになります。
まずは、2018年に発表された「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)による平均賃金をチェックしてみましょう。
・男性(19歳~)
平均値は337,600円で、最も高い平均値は、50~54歳の426,000円。
・女性(19歳~)
平均値は247,500円で、最も高い平均値は、50~54歳の270,600円。
「賃金の分布」には、年齢別による平均値が詳しく記されていますので、あくまで参考として、気になる人はまず比較してみて下さい。
ちなみに、参考資料として挙げた厚生労働省による賃金構造の統計調査には、過去に不正調査の問題も審議され、総務省がその結果を発表しています。
現実には、バブル崩壊の影響もあり、1990年代から日本の賃金がほとんど上昇しておらず、欧米など先進国との比較でも、現在まで日本の賃金上昇があまりに低いことがわかっています。
その理由には、非正規雇用者が増えている傾向にあること、少子高齢化、労働組合の弱化などが伝えられています。
浪費癖
貯金ができないとなると、浪費癖も悪習慣としてよく挙げられています。
流行を気にするあまり好きなブランドの新商品は必ず買う、スターバックスで朝のコーヒーやコンビニでお菓子といった細かなものを値段も気にせず習慣的に買ってしまうなど、人によっては浪費癖と気づいていないこともあるでしょう。
浪費癖が見られる家庭は、必要性が高いものと単に欲しいものとの区別がしづらい、つまり、出費における優先順位がつけられないという共通点を持っています。
もちろん、私たちは高い知能と様々な欲を持つ「ヒト」ですから、欲しいものは誰にでもあります。
とはいえ、遣えるお金には限りがあるため、必要性が高いものから優先順位を付け、特に必要なものだけを買う、必要なものの底値を知り、できる限りリーズナブルなショッピング方法、お店を選ぶなど、堅実な遣い方をすることが大切なのです。
家計にこの法則を徹底し、浪費癖を改善すれば、自然と貯金ができるようになるはずです。
大量ストック好き
歯ブラシや洗剤、水などの日用品を大量ストックしている人も、貯金が苦手な傾向にあるようです。
セールだからと大量に買っておくことで、お得な気持ちになるかもしれませんが、その継続が賞味期限・消費期限切れに意識を向けなかったり、大量に買うことだけで満足してしまったりと、悪循環を引き起こすことも。
ちなみに我が家には、パントリーと小さなストックルームがあるので、大量ストックが好きな方です。
災害のことなどを考えると、ある程度のストックを持っておくことは、とても大切なことだと思います。
ただし、必要性の高さを優先し、管理を徹底させてこそ、家計を助ける本来のストックになるはず。
私はとりあえず、全ての賞味・消費期限を記録し、この数なら家族全員でどれほどの期間に使い切れる、といったことも把握できるようにしています。
大量ストックをするということは、ある程度家計をセーブすることに繋がっているはずですから、その分は必ず貯金できるようにしたいですね。
少子化には嬉しい子沢山家庭
子沢山の家庭は、少子化が加速する日本の経済にとって有り難いものですが、扶養家族が多いことに比例して、家計では支出ばかりが増え、当然貯金は難しくなってしまいます。
一般的に、小学校より全て国公立を選んだとしても、その教育費は子供1人につき約1,000万円と言われています。
このシンプルな解決策には、一家の経済力をベースとした家族計画が挙げられますが、既に子沢山の家庭では、教育資金を計画的に蓄えていくのみ。
「親」が「子供」に対して、義務と責任を果たすことは当然のことですから、家計を見直し、できる限りの節約生活で、貯蓄を増やすようにしましょう。
※関連記事
子供にかかる費用が高い
記述した通り、子供の教育費は1人につき最低でも約1,000万円が必要とされていますが、これは学校にかかる費用のこと。
当然ながら、子供は学校の中だけで知識を高めていくのではありません。
家庭によっては塾に通わせたり習い事をさせたりする他、定期的なお小遣い、下宿ならその費用全般など、成長ごとに様々な出費が嵩んでいきます。(関連 >>子ども食堂の目的とは?【デメリット・メリットについて深掘】)
親としては、教育のため、子供の将来のためにと、できる限りのことをさせたいと考えるものですが、家庭の経済力、子供の力量・許容量、興味、将来の夢も考えた上で、本当に必要なことだけにお金をかけることを重視しましょう。
エンゲル係数が高い
家計における食費の割合は、全体の約15%が理想。
それ以上であれば、食べ過ぎ…と考えられがちですが、今の時代、過食だけを原因とするのも難しいと言えるのではないでしょうか。
もちろん、元々高カロリーな食事をベースにしていて、胃袋が大きくなった食べ盛りの子どもたちが、さらに食べるようになった…というのなら、また話は別です。
ですが、健康的な食事やバラエティ豊富な食材、リーズナブルに手に入りにくいオーガニックや無農薬食材など、食生活にも大きな変化がある今日、単に多く食べることだけがエンゲル係数を高めるとは言えませんよね。
安いものにこだわるというだけではなく、一日の摂取カロリーを厳守することに加え、生食だけオーガニックや無農薬にする、とにかく外食を控えるなど、工夫を凝らしながら節約することも大切です。
※関連記事
高額過ぎる住宅費用
家計における住宅費用の理想的な割合といえば、約25%と言われています。
ですが、特にまだ若い人たちでは、自身の経済力よりも見栄を優先させて、リッチな環境を住宅に選ぶことが多いとか。
賃貸なら引っ越しもすぐに可能ですが、既に自身の収入には見合っていない高額マイホームを購入してしまったとなると、よほどの節約、収入アップかマイホームの売却を考えないと、維持が困難になるかもしれません。
住宅ローンを組んでいるのであれば、売却によってかなりの損金が発生する場合もありますから、まずはしっかりと根本的な見直しを行いましょう。
※関連記事
高級志向を徹底している
家庭の収入を考えず、とにかく高級志向を優先させるため、貯金ができないというパターンも忘れてはいけませんね。
周囲へのちょっとした見栄もあり、食材はデパートや高級スーパーで買う、服やバッグなどのアクセは常にブランド品、車は常に外車を購入するなど、異常とも言えるほどの高級志向を徹底している家庭も少なくないようです。
高収入だから問題なし、とは言っても、収支トントンで貯金はできないままというのであれば、高級志向を見直す必要があるのではないでしょうか。
見栄を張ったところで、周囲はそれほど羨ましくは思っていないことも覚えておきましょう。
※関連記事
持ち物に対するこだわりのなさ
ブランドにこだわってばかりも困りものですが、身の回りのものにこだわりが全くないということも、お金が貯まらない家庭の特徴と言えます。
こだわりのなさが自身の軸を定めにくく、目につくもの、人が持っているものなど、様々な買い物をしてしまうそうです。
自身の正しいメンテナンスのためにもこだわりを持って、無駄遣いを避けるようにしましょう。
片付けられない
これはよく耳にしますよね。
部屋を片付けられない、つまり何に置いても管理がうまくできないということ。
貯金ができない人の部屋も、散らかっている場合が多々と言われています。
面倒でも先にしなければいけないことを後回しにするという性格は、金銭管理にも影響して、出費の優先順位も狂わせてしまいます。
宝くじなどで一攫千金を狙っている
宝くじやロト6などを定期的に購入し、一攫千金を夢見ている人の中にも、貯金が苦手な人が多いようです。
私の友人にもいますが、節約を気にせず、片付けも苦手、お金の管理も当然できなくて、借金をしてまで宝くじにお金をかけていました。
(関連:なんとしても今すぐお金借りれる)
それでも長年、一攫千金の夢は叶わず、細々と暮らしていますが。
ちなみに、宝くじが当たる確率は、雷に打たれて昇天しちゃう確率と同じだそうです。
ほぼ不可能ということですから、宝くじなどギャンブルに使うお金を貯めていくほうが、スマートな選択と言えますね。
貯金ができないことを責任転嫁
自身の過ちを認めない人はどこにでもいるものですが、貯金ができないことを周囲や社会のせいにする人もやはりいるようですね。
親の教育が悪かったから、どちらかが専業主婦・主夫だから、日本の経済停滞のせい、消費税が上がる・上がったせい…言い訳にはきりがありません。
大切なことは、同じような環境にいて収入がさらに低い家庭であっても、貯金ができているケースが当然あるということ。
被害者意識と勝手な自己防衛を強く持ち過ぎて、できるはずのことができない自身を正当化する癖を持つ人は、貯金以外にもできないことが多々ありそうですね。
今回は、貯金ができない家庭の特徴をまとめてみました。
もしかしたら、当てはまると感じた方がおられたかもしれませんね。
ところで私は、西川きよしさんがよくおっしゃる「小さなことからコツコツと!」というお言葉が大好きです。
これがまさに私たち家族に合う言葉で、貯金にしても一度に大きくはできませんが、小さくコツコツ貯めていくタイプの家庭です。
逆に、お金にまつわることわざで「損して得取れ」という言葉があるように、最初は損であっても、将来的にそれ以上の利益となるよう、投資など勉強をしながら、資産運用に力を入れている人もいますよね。
貯金の仕方は、それぞれの家庭のタイプによって、違っていて当然です。
これまでに貯金ができていない家庭は、その原因を探り、まずは自分たちができる貯蓄法を試してみることをおすすめします。