水道代の節約アイテムとしてよく耳にする「節水コマ」。
食器や手洗い、洗面など、日常生活において水を出しっぱなしにしてしまうことはよくあるものです。
そんな時に水量調節をしてくれる節水コマがあれば、水道代やガス代の節約になると言うことなのですが…実際にその効果のほどはいかがなものなのでしょうか?
今回は、その節水コマについてまとめてみました。
平均的な使用水量とは?
まずは、一世帯の人数別に、平均的に使われている水量を確かめていきましょう。
以下、世帯人数と平均使用水量を挙げていきます。
1人…82㎥
2人…15.9㎥
3人…20.4㎥
5人…28.5㎥
6人以上…33.9㎥
あくまでも平均使用水量なので、それぞれのライフスタイルによっても違いはありますが、一ヶ月の水道料金にすれば以下のようになります。
※東京都23区、20mmの口径を使用した場合です。
1人…1,350円
2人…3,205円
3人…3,781円
4人…5,131円
5人…5,816円
6人…8,018円
この平均使用水量と水道料金を見ていくと、使用水量は世帯人数が3人以上から大体同量の上がり方をしているのに、世帯人数が4人になると、いきなり水道代が高額になっています。
ということは、使用水量のアップ分、約4㎥分を工夫して減らせば、かなりの節約になると言えますね。
関連ページ >>一人暮らしの水道代の相場や平均使用料ってどのくらい?【節約方法も掘り下げて解説】
水道代の節約に「節水コマ」
では、水道代の節約に効果的とされる「節水コマ」について、ご紹介していきましょう。
節水コマとは?
水道のハンドル内部には、コマと呼ばれる部品が備え付けられていて、蛇口から出る水は、そのコマの周辺を通ってきます。
節水コマは、このハンドル内部に取り付けることで、流れ出る水量を減らしてくれる節水アイテムです。
東京都水道局によると、この節水コマを取り付けることで、
ハンドル開度によっては最大で50%もの節水効果が期待できる
とのこと。
ただし、ハンドルを全開にすれば水量は当然増えてしまいますから、節水コマの効果が期待できないとも言われており、節水のため節水コマを効果的に利用するには、ハンドルのひねり方にも気をつける必要がありますね。
ちなみに、基本的に水道料金は、上水道と下水道の料金がまとめて請求されますが、節水コマによる上水道の量を抑えることで、下水に流れる水量の抑制にも繋がりますから、両水道の節約に効果的と言えるでしょう。
水道局はもちろん、各自治体もこの節水コマが実際に節水効果を高めるとして、その取り付けを推奨、自治体や水道局によっては、希望消費者に無料配布も行っています。
ホームセンターでも、数百円程度で購入可能です。
節水コマの取り付け方は簡単!
節水コマは各自で簡単に取り付けることが可能です。
その順序をご説明しておきましょう。
- 水道メーターのボックスにある元栓を締めて、止水する
- 水道ハンドルを全開状態にして、スパナなどを使い、パッキン押えの部分を外す
- 水量調節をするハンドル上部を外し、ピンセットなどを使って、既に取り付けられているコマを外す
- 節水コマを差し込んで、ハンドルを元通りにする
- 水道メーターのボックスにある元栓を開け、水が出る状態に戻す
ただし、節水コマに関する注意点も忘れてはいけません。
・蛇口の形式、ハンドルの形態によっては、節水コマの取り付けが不可能な場合もあるので(近年普及中のレバー式には取り付け不可能であることが多々)、事前に自宅の取り付けたい水道が節水コマに合うタイプかどうかを要確認。
・流出水量調節が既にされているため、給湯側に節水コマは取り付けてはいけない。
・スパナなどの使用には、ハンドル下にある金具に傷をつけないように、布などを当てて行うことがおすすめ。
・組み立ての時に、ハンドルの開閉を重くする場合があるため、蛇口頭部の締めすぎには要注意。
ちなみに、節水コマが取り付けられないケースがほとんどであるレバータイプでは、蛇口周辺などに止水栓が付いているはずなので、その調節により水量調整が可能です。
節水コマの耐性
今では多くのメーカーが節水コマを発売していますが、ゴムや樹脂で作られている商品がほとんど。
消耗品ですから、一般的にその耐用年数は5年程度とされていますが、各住宅による水道の利用状況といった様々な条件により、節水コマの耐用年数もかなり違ってきます。
もし、ハンドルをしっかりと締めているのに蛇口から水漏れがあれば、節水コマを交換すべき時期と考えましょう。
節水コマは本当に効果的?
では、実際に節水コマは節約に効果的なのかどうかを、考えてみましょう。
節水コマを上手く利用すること
節水コマには、水道料金を節約できるほどの効果はなし、という意見もあるようですが、どちらが正しいか正しくないかということよりも、節水コマの効果は使用状況による、と言ったほうがいいでしょう。
東京都水道局によれば、通常のコマが取り付けられている蛇口を90度開いた場合の流水量は、
12リットル/分
とされていて、この蛇口のコマを節水コマに交換することで、その流水量は最大で
5リットル/分
まで抑えられるとのこと。
ただし、全開状態では流水量が通常のコマと変わらなくなりますから、節水には90~150度程度の開きで流水することが必要になるのです。
つまり、ハンドルのひねり具合が重要なポイントですね。
元々、蛇口からの水の勢いがあまり感じられない出方では不満足という人には、常に全開状態で流水させる癖がありますから、節水コマを使ったところで、その効果は期待できないでしょう。
また、日頃から節約における意識を高く持っている人であれば、全開状態で流水をしていませんから、こちらも節水コマの効果はそれほど期待できないかもしれません。
つまり、節水コマで高い効果が感じられるケースは、
節約という意識が低めの家庭と、不特定多数の人で利用する蛇口
と言えるのです。
また、屋上に貯水塔が設置されているマンションでは、上階ほど水圧が弱めで、下階ほど水圧は強めという傾向がありますから、暮らしてきた環境によっても、蛇口のひねり具合における意識の違いがあるはず。
一人暮らしなら、基本的に自身が節約を意識して流水の仕方に気をつけますが、同居する人がいて、節約に協力的ではない場合、まずは節水コマを試してみることがおすすめです。
食器洗いでガス代節約
節水コマで、水道代がどのように節約できるのかを述べてきましたが、以下ではガス代での節約についてご説明していきます。
・関連ページ >>食器洗いで水道代を節約してひと月の水道代を減らす方法を深掘
ではまず、寒い時期で水温が14度の時に、食器洗いを40度設定で5分間(60リットル)した場合を比較してみましょう。
※契約ガス会社や地域などにより金額は違ってきますが、平均的に算出します。
・節水コマを取り付けていない場合
都市ガス…26度(40-14度)×60リットル×0.9÷11,000kcal×150円=19.15円
プロパンガス…26度×60リットル×0.9÷24,000kcal×454円=26.56円
・節水コマを取り付けている場合
都市ガス…26度×25リットル×0.9÷11,000kcal×150円=7.98円
プロパンガス…26度×25リットル×0.9÷24,000kcal×454円=11.07円
つまり、節水コマをつけた水道で食器洗いを5分間行った場合、
都市ガス…11.17円/5分の節約
プロパンガス…15.49円/5分の節約
ができることになるのです。
これを朝晩毎日続けると、
都市ガス…約670円/月の節約
プロパンガス…約929円/月の節約
になるそうです。
その上、ガス会社は見直しをして変更すれば、さらに安い単価になりますから、大きな節約になるはずですね。
・関連ページ >>一人暮らしのガス代を節約する方法【相場や平均、高い原因等も徹底解説】
今回は、節水コマについてご説明してきましたが、節水コマと同様に高い節水効果が期待できる「節水バルブ」や「節水アダプター」など、多くのメーカーが他の節水アイテムも販売しています。
ただし、節水コマは地域によって無料配布もされているため、まずは節水コマを試してみるのもいいですね。
節約になるだけでなく、資源を守るアイテムでもありますから、是非おすすめです。
・関連ページ >>これ以上節約できない人に見直すべきポイント深掘【どうすれば良いか悩んでいる時に本気でおすすめ】