こんにちは、ヒロナカFP事務所の廣中と申します。
この度は、節約トレント様より寄稿の依頼を頂き、家計の中で重く感じる方が多い住宅ローン、それも繰り上げ返済についてお伝えさせていただきます。
運営サイトを通じで、お金や税金、不動産について得する方法や仕組みをわかりやすくお伝えしています。
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著者:廣中様
事務所:ヒロナカFP事務所
資格:ファイナンシャル・プランニング
公式URL:https://hironakafp.com/
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- 住宅ローンの繰り上げ返済はどうやって進めるのか?
- 返済を繰り上げて得するのはいつ?
- 繰り上げ返済の詳細比較
- 住宅ローン控除を受けている場合には、どうしたら良いのか?
- 住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済するお得な月
- 住宅ローンの控除期間に注意が必要
- 金利がいくらなら繰り上げ返済した方が得なのか?
- 繰り上げ返済 まとめ
住宅ローンは家計に対してかなりの負担を要します。
そこで繰り上げ返済は出来ないかと考える方は非常に多いです。
ですが、繰り上げ返済はいつどこで行ったらどの程度得をするのかいまいちわからないと感じている人が多いでしょう。
そこで今回は、住宅ローンの繰り上げ返済を行うのにどうしたら得するのかをわかりやすくお伝えしていきます。
住宅ローンの繰り上げ返済はどうやって進めるのか?
住宅ローンの繰り上げ返済は、借入をしている金融機関に問い合わせをするところから始まります。
金融機関によって繰り上げ返済ができる期間が異なるので、まずはいつから繰り上げ返済が可能か把握することから始めます。
金融機関も社内手続きがあるため、今日振り込んですぐに繰り上げ返済を開始することはまず出来ません。
基本的には、繰り上げ返済を希望する日程の2週間から4週間前までに申し込みが必要なケースが多いです。
稀に申し込み時点で返済をすれば繰り上げ返済が可能になる金融機関もあるので、
いつ繰り上げ返済が実行できるのかは確かめておく必要があります。
繰り上げ返済ができる最低金額が決まっている金融機関も非常に多いです。
基本的には百万円以上や6回分の返済金額プラスボーナス払い1回分などが決められています。
なので、数万円や数十万円手元に余っているから少しでも繰り上げ返済をしていこうと考えている人はもう少し貯める必要があります。
返済を繰り上げて得するのはいつ?
繰り上げ返済は、いつしても必ず利率が減るので得をしますが、期間によっては得られる効果が変わってしまいます。
繰り上げ返済にも2種類あり、期間短縮と返済額軽減の2つがあり、どちらを選ぶかで得する金額も変わってきます。
どちらを選ぶかは各家庭の事情によって変わりますが、
一般的には、期間短縮型で出来るだけ早く繰り上げ返済を行うことが最も効率が良いと言われています。
上記でお伝えしている期間短縮と返済額軽減の解説をいたします。
「期間短縮」:返済額は毎月同じで期間が短くなる 35年が30年になるなど
「返済額軽減」:返済する期間は変えずに毎月の返済負担を減らす 毎月10万円の返済が8万円などに
この二つでだけであれば期間を短縮することで、短縮した期間の金利負担が無くなりますのでその分、得します。
返済額軽減毎月の返済額は少なくなりますが、期間が長くその分利息が取られます。
具体的な金額で比べてみましょう。
繰り上げ返済の詳細比較
- 借入金:3000万円
- 返済期間:35年
- 金利:0.8%
- 返済方式:元利均等
- ボーナス返済:無し
- 繰り上げ金額500万円
- 繰り上げ返済時期:14年目
- 総返済額34,405,560円
- 期間短縮:33,634,269円
- 差額:771,291円
- 返済額軽減:33,972,188円
- 差額:433、372円
つまり、期間短縮の方が返済額軽減よりも同じ金額を繰り上げ返済しても337,919円得をするということになります。
また、繰り上げを行うのもできる限り早い方が利息軽減の恩恵が受けられます。
前述した同条件で繰り上げを早めた場合を比較します。
期間短縮に限定して計算を行います。
10年目で繰り上げ返済を行なった場合
- 返済総額:33,452,848円
- 差額: 952,712円
5年目に繰り上げ返済を行なった場合
- 返済総額:33,216,220円
- 差額: 1,189,340円
このようになるべく早く繰り上げ返済をすることで、支払う利息が少なくなります。
利息は全体の借入金に対して、期間でかかってくるので少しでも早く短くした方が結果的に利息の支払額が少なくなります。
住宅ローン控除を受けている場合には、どうしたら良いのか?
10年以内に繰り上げ返済をする際には、住宅ローン減税を受けている人がほとんどでしょう。
住宅ローン控除は年末の借り入れ残高に対して受けられる控除金額が決まってきますので、
M A X4000万円まで住宅ローン控除を受けることが出来ます。
つまり、MA Xの4000万円控除を超える金額であれば繰り上げ返済をしても影響がありません。
逆に言えば、年末の残高が4000万円より低い際には、住宅ローン減税と、繰り上げ返済とどちらが得になるのか秤にかけて考える必要があります。
この住宅ローン減税の期間中に繰り上げて返済を考える場合には、簡単に計算が出来ないので専門家に任せるのが良いでしょう。
住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済するお得な月
住宅ローン控除の期間中であれば、繰り上げ返済をするかどうかは注意が必要です。
住宅ローン控除の基準となる借り入れ残高は、年末の借り入れ残高で決まってくるので、
繰り上げ返済をするのであれば、1月に繰り上げ返済をする方が賢い返済方法でしょう。
1月でなければいけないという理由はないですが、
10月から12月にかけて繰り上げ返済を検討しているのであれば、
少し待って1月に繰り上げ返済をした方がいいでしょう。
もちろん住宅ローンの期間中の話ですので、
それ以外の期間であればそこまで気にする必要はありません。
住宅ローンの控除期間に注意が必要
住宅ローン控除中に期間短縮の繰り上げ返済をする人に注意が必要です。
あまりない例ですが、35年ローンで返済を組んで、住宅ローン控除期間中に、期間短縮を選び残りの期間が10年以内になってしまう繰り上げ返済は損をする可能性があります。
住宅ローン控除には、10年以上の借り入れ期間が条件になってくるので、
期間を短縮して10年以内になってしまえば、せっかくの住宅ローンが無駄になってしまう可能性があります。
金利がいくらなら繰り上げ返済した方が得なのか?
住宅ローン控除を受けている期間に繰り上げ返済をしたいと考えた際には、
控除期間が終わるのを待つか、それとも先に繰り上げた方がいいか迷われる方が多いです。
前述では、専門家に任せた方がいいともお伝えしましたが、
一つの目安として、住宅ローンの金利が1%以上であるかどうかがあります。
この金利が1%以上であれば全体の利息で考えれば繰り上げ返済をした方がいい場合が多いです。
逆に言えば1%未満の金利であれば、住宅ローン控除期間が終わるのを待ちながら、
繰り上げ返済の資金を別で貯めておくのがいいでしょう。
金利が高ければ、住宅ローン控除を受ける恩恵以上に金利負担が重くなるので、
1%以上の金利を借りているのであれば、一度繰り上げ返済を検討してみるのがいいです。(関連:お金借りる)
繰り上げ返済 まとめ
住宅ローンで繰り上げ返済を検討される人は、早め早めに行動した方が得ですが、住宅ローン控除やその他生活資金などもありますので、
無理に繰り上げ返済をする必要はありません。
余剰資金があって、繰り上げ返済をするという考えでいましょう。
さらに具体的にいつどのように繰り上げ返済を行うか、
効果的な得する方法は、借りている金融機関とも相談するという考えもあります。
F Pに相談して、金利シミュレーションを行なってもらい一緒に考えるのも一つです。
家計を考えながら、無駄な金利負担などは減らしていくことが大切です。